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子どもの自立サポートセンター「ホープ」で宗像市の不登校支援を調査~8月5日レポート~

更新日:2023年8月5日

こんにちは、キミママレポーターです。
みなさんは「不登校」について考えたことはありますか?
文部科学省の最新の調査によると、令和3年度の小・中学校の不登校児童生徒数は前年度から大幅に増加し、初めて20万人を超えました。決して他人事とは言えない状況です。

そこで今回は、宗像市の新しい自立支援のための施設、子どもの自立サポートセンター「ホープ」に焦点を当て、不登校に対する市内の支援体制について紹介します。

  

不登校支援の2つの柱。教育サポート室「エール」と、子どもの自立サポートセンター「ホープ」

宗像市では不登校支援として、これまでメイトム宗像内にある、教育サポート室「エール」で支援を行ってきました。
小・中・義務教育学校の児童生徒のより良い成長を願い、市の教育委員会が運営している適応指導教室です。
子どもたちの特性に合わせた教科学習活動や体験活動を行い、コミュニケーション力の向上などを通じて社会的に自立できるように支援しています。
また、在籍校との連携に力を入れており、子どもたちの状況に配慮しながらチャレンジ登校(行事、定期考査などに参加)も積極的に実施しています。
通室や学習の状況も在籍校と共有しています。

そして今年4月、引きもこもりがちな児童・生徒を対象に、子どもの自立サポートセンター「ホープ」が正助ふるさと村内に新しく開設されました。
エールとの大きな違いは、「学校復帰を目的としていない点」です。ひきこもり傾向にある子どもたちが、家から出て安心して心身を休め、エネルギーを蓄えられ、リラックスして過ごせる居場所を目指しています。

 

「エール」と「ホープ」の支援内容を比較してみました!

「エール」と「ホープ」の支援内容を比較してみました! 

 

「ホープ」は革新的な施設!開設に至る背景やその特徴とは?

「ホープ」のように、自治体が運営する自立支援のための施設は、全国的に見てもめずらしく、今年4月の開設以来、他の自治体からも注目されています。
なぜ宗像市でこのような施設が開設することになったのでしょうか?
その背景と施設の現状について、吉武研二所長に伺いました。

所長の吉武研二先生。昨年度まで「教育サポート室エール」の室長を務められていました 

吉武所長。昨年度まで、教育サポート室「エール」の室長を務めていました

 

Q1.宗像市でも不登校が増えていると聞きました

明らかにコロナ禍を機に、右肩上がりに急増しています。オンライン授業や休校が影響して、学校へ行く必要を感じられない子どもたちや保護者が増えているようです。「ホープ」に通っている子どもたちからも、何がきっかけで不登校になったのか自分でも分からないという話をよく聞きます。

Q2.「ホープ」が開設された経緯を教えてください

昨年度まで「エール」の室長を務めていました。その中で気づいたのは、「エール」だけでは支援しきれない子どもたちがたくさんいるということ。まずは登校を目標にするのではなく、自宅から外に出て、人とコミュニケーションをとり、社会とつながりが持てる居場所が必要だと感じました。

高宮史郎教育長もその思いに共感され、それならそういう施設を作ろうと昨年の6月頃から開設に向け始動。試行錯誤を重ねた結果、今年4月の開設となりました。
発案から1年足らずという短い期間でしたが、現場の声と教育長、職員の思いが重なったことで実現できたと思います。

  • 高宮教育長の「高」は、本来「はしごだか」を使用します

Q3.「ホープ」の現状はいかがですか?

現在、小学生7人と中学生7人が在籍し、私を含めたスタッフ3人体制で支援を行っています(令和5年6月1日取材時点)。
毎日の時間割は決まっておらず、子どもたちとスタッフが一緒になってその日の活動内容を決めています。
開設時に卓球台やボードゲームなど一通りの設備を揃えたので、好きなことや興味のあることから取り組むことができます。
自然活動にも力を入れており、施設裏の空き地を利用し畑を作りました。子どもたちが種から育てた苗を畑に植え、収穫まで大事に育てみんなで食べたいと思っています。

開設して2カ月。まだ手探り状態ですが、子どもたちの表情が入所当時より格段に明るくなるなど、変化も見られるようになりました。
目に見えてエネルギーを蓄えているように感じます。

 

「ホープ」の様子を実際に見学してきました

  • 「ホープ」は正助ふるさと村の敷地内に。徒歩や自転車、公共交通機関、保護者の送迎で通います
    「ホープ」は正助ふるさと村の敷地内に。徒歩や自転車、公共交通機関、保護者の送迎で通います
  • 子どもたちが手作りした看板が目印です!
    子どもたちが手作りした看板が目印です!
  • 飲食店として使われていた建物を再利用しています
    茶屋として使われていた建物を再利用しています

 

  • 子どもたちの趣向に合わせた様々な道具や玩具がそろっています
    子どもたちの趣向に合わせた様々な道具や玩具がそろっています
  • 本格的な卓球台も!
    本格的な卓球台も!

 

  • 毎日の予定は子どもたちとスタッフで決定。活動に参加するもしないも自由!
    毎日の予定は子どもたちとスタッフで決定。活動に参加するもしないも自由!
  • たくさんの選択肢から予定を決めていきます
    たくさんの選択肢から予定を決めていきます

 

  • こちらのテーブルではパズルに挑戦していました!
    こちらのテーブルではパズルに挑戦していました!
  • 枝の形を利用して作ったパチンコ!工夫が感じられます
    枝の形を利用して作ったパチンコ!工夫が感じられます

 

  • 正助ふるさと村内で見つけた五つ葉だそう!すごい!
    正助ふるさと村内で見つけた五つ葉だそう!すごい!
  • 丁寧に押し花にした四つ葉も見せてくれました。その数45枚!
    丁寧に押し花にした四つ葉も見せてくれました。その数45枚!

 

  • 施設裏に作られた畑。ここで育てた野菜をみんなで食べる予定
    施設裏に作られた畑。ここで育てた野菜をみんなで食べる予定
  • それぞれ好きな野菜の種を植えました。収穫が楽しみです!
    それぞれ好きな野菜の種をまき、発芽しました
    収穫が楽しみです!

 

保護者の方にお話しを伺いました

コロナ禍をきっかけに、近所のお友だちとの行き来が減り、少しずつ学校にも足が向かなくなりました。
特に何かすることもなく自宅にこもりっきりという状況で、生活習慣も不規則になっていそうです。
そんな中、昨年度末に「ホープ」という施設ができると聞き、相談し通所することに決めました。

通い始めてまだ2ヶ月弱ですが、周りの人と挨拶ができるほどに変わってきました。
「楽しい」と言って通っているのでホッとしています。

 

取材を終えて・・・

宗像市は他の自治体と比較しても不登校問題に積極的に取り組んでいることが分かりました。
その最たるものが「ホープ」だと思います。開設したばかりの施設のため、問題点や改善点もあるかもしれません。
ただ失敗や批判を恐れずに1年足らずで運営に至ったのは、不登校支援拡充の大きな一歩だと思います。在籍する子どもたちからも、「通うのが楽しい」と感想を聞かせてもらいました。子どもたちにとって、確実に大切な居場所になっているのだと感じます。

学校がつらいとき、元気がでないとき、気持ちがモヤモヤしてしまうとき・・・。
学校に通わないという選択をすることは、決して間違っていないと思います。
ただ不登校によって、社会とのつながりが途絶えたり、将来の選択肢が限られてしまうようなことは避けたいものです。
「エール」や「ホープ」は子どもたちにとって大事な避難所であり、社会とつなぐ重要な役割を担っているのだと感じました。
他に類のない支援を積極的に取り入れる宗像市に今後も期待したいと思います。

 

(表記はレポーターの表現を優先しています)

 

まずはお気軽にご相談ください

子ども支援課

 電話番号:0940‐36-6912

子どもの自立サポートセンター「ホープ」

 電話番号:0940-39-3102


 

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総務部 秘書政策課 広報政策係
場所:市役所本館2階
電話番号:0940-36-1055
ファクス番号:0940-37-1242

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