令和7年9月号みさこの伝えタイ通信「小説「恍惚の人」と現代の認知症」 最終更新日:2025年8月27日 (ID:8891) 印刷 「年を取ると物忘れがひどくなるのは仕方ない」。かつては、そんなふうにいわれてきました。認知症が「病気」ではなく、「老い」や「性格の問題」とされていた時代です。 1972年に発表された有吉佐和子さんの小説「恍惚の人」は、そうした時代の中で、認知症の義父を抱えた家庭の混乱と、介護の重圧を正面から描いた作品です。当時は「痴呆」という言葉が使われ、家族がひそかに抱える問題として見過ごされがちでした。小説は、そうした「見えない現実」を社会に広く伝えるきっかけとなりました。 それから50年、2004年には「痴呆」から「認知症」へと呼び方も改まり、今では誰もがかかりうる脳の病気として認識され、治療や支援の体制づくりが進んでいます。 市では「オレンジカフェ」など、認知症の人や家族、地域のみなさんが集い、気軽に語り合える場所づくりを進めています。「一人で悩まない」「ともに支える」関係づくりを広げています。認知症を身近なこととして受け止め、誰もが安心して暮らせる宗像づくりを目指し、今できることを、一緒に考えてみませんか。問い合わせ先秘書政策課秘書係:0940-36-0890