宗像市の小中一貫コミュニティ・スクール:9年間の子供の育ちにふるさとみんなで関わろう 最終更新日:2025年7月22日 (ID:8593) 印刷 宗像市の小中一貫コミュニティ・スクール:9年間の子供の育ちにふるさとみんなで関わろう 宗像市では、子どもたちが小学校から中学校までの9年間を通して、地域の中でいきいきと学び、成長できるよう、「小中一貫コミュニティ・スクール」を進めています。これは、子どもたちの学びを学校だけでなく、地域や家庭も一緒に支えることで、より豊かな教育を実現するためのものです。小中一貫コミュニティ・スクールって、どのようなこと? 小中一貫コミュニティ・スクールは、子どもたちが小学校から中学校へ進む際に起こりがちな「ギャップ」をなくし、9年間を通してスムーズに学べるようにする「小中一貫教育」と、地域の方々や保護者が学校運営に参加し、子どもたちを地域全体で育む「コミュニティ・スクール」を一緒に進めるものです。コミュニティ・スクールとは、「学校運営協議会」を設置している学校のことをコミュニティ・スクールと呼びます。宗像市では、小学校と中学校をまとめた「学園」に一つの「学園運営協議会」を設置し、話し合いをしています。具体的には、学園の地域に住む方々、そして保護者が、子どもたちがどのように育ってほしいかどのような学園(学校)を目指すかを話し合い、目標を共有します。そして、それぞれの立場で何ができるかを考え、協力し合うことで、子どもたちの健やかな成長を応援します。 学校に通う子どもたちだけでなく、地域全体の子どもたちが、将来、地域や社会を支える大切な存在に育つことを目指しています。 また、学園、家庭、地域が、それぞれの目標や課題について話し合い、情報を共有することで、学校の活動、家庭での教育、地域の取組がもっと充実したり、新しい活動が生まれたりすることもあります。1. 宗像市立の学校と「コミュニティ運営協議会」 宗像市には、小学校14校、中学校6校、義務教育学校1校の合計21校があります。これらの学校は、今までの小学校・中学校の仕組みはそのままに、中学校区ごとにまとまって「学園」と呼ばれています。宗像市には、全部で7つの「学園」があります。地図の周りのキャラクターやマークは、小中一貫教育やコミュニティ・スクールを進める中で生まれた、各学園の取組のシンボルです。また、星マークは「コミュニティ運営協議会」の場所を示しています。市内に12か所あるコミュニティ運営協議会は、地域と学校が協力して活動する際の中心となる大切な存在です。 7つの学園は、それぞれ地域の広さやコミュニティ運営協議会の数も異なり、商業が盛んな地域、住宅が多い地域、農業や漁業が盛んな地域、さらには離島の学校など、さまざまな特徴を持っています。各学園の地域の良さを活かし、地域ならではの教育活動を進めています。2. 「小中一貫教育」って、どのような学び? 「小中一貫教育」は、小学校から中学校までの9年間を、子どもたちにとって途切れることのない、最適な学びの場にすることを目指しています。子どもたちが安心して学校生活を送れるように、次のような工夫をしています。小学校の先生も、中学校での学びを意識しています 小学校の先生は、子どもたちが中学校でどのようなことを学ぶのか、中学校を卒業する時にどのような大人になってほしいかを考えながら、日々の授業を行っています。中学校の先生も、小学校での学びを知っています 中学校の先生は、小学校での授業の様子を見学したり、小学校の先生と子どもの様子を話し合ったりした上で、授業や生活指導に取り組んでいます。3. 学園での交流活動と先生たちの連携 宗像市にある7つの学園のうち、6つの学園は小学校と中学校の校舎が離れています。そのため、学園内の小中学校で様々な交流活動を行っています。例えば、小学生同士の交流 小学5年生の宿泊体験学習や6年生の修学旅行を、学園内の小学校が合同で行うことがあります。これにより、子どもたちは中学校に入る前に、学園内の他の小学校の友達と知り合うことができ、中学校生活への不安を減らすことができます。小中学生の交流 小学生と中学生が一緒に活動する機会もたくさんあります。小学生は、たくましく優しい中学生の姿を見て、「こんな中学生になりたいな」と憧れを抱きます。一方、中学生は、年下の子どもたちへの思いやりや、みんなをまとめるリーダーシップを育むことができます。このような交流活動を通して、子どもたちは学園への「仲間意識」や「一体感」を育んでいます。 また、小学校と中学校の先生たちも、会議や研修などで日頃から交流しています。授業の進め方や、生徒指導、特別支援教育など、さまざまなテーマで研修会を行っています。一つの学校だけで行うよりも、学園全体で取り組むことで、より効果的に、そして効率的に学ぶことができます。さらに、学力や体力アップ、子どもたちの生活指導に関する取組なども、小学校から中学校まで連続したものとして、工夫を凝らしています。以下の表は、各学園の交流活動、会議や研修の一例を表しています。各学園の交流活動、会議や研修の一例 学園◎学園長を中学校におく 小小交流活動(児童) 小中交流活動(児童生徒) 会議や研修(教職員)城山学園◎城山中学校〇吉武小学校〇赤間小学校〇赤間西小学校□宿泊体験学習(5年)□合同あいさつ運動(全)□特別支援学級訪問(全)□自転車教室(6年・中学校教師による講話) (6・7年)※赤間西小 ■学園事務局会議 ■学園職員会議 ■学園夏季研修会 ■人権・同和教育実践交流会 ■学園分掌部会 ■学園同学年部会 ■合同教科部会 ◇学園Co. 宗像の郷「中央学園」◎中央中学校〇南郷小学校〇東郷小学校 □夏休み補充学習会(6年) □宿泊体験学習(5年) □9年生を送る会(5,6年) □小中交流遠足(全) □校区愛着活動(全) □中学校新入生説明会(6年・生徒会) □特別支援学級交流会(全) □自転車教室(6年・生徒会) □あいさつ運動(全) □むなかた子ども大学の日(ジュニアサポーター) □小中読書交流(4~6・8年) □9年生を送る会(5~9年) ■学園推進会議 ■学園職員会議 ■学園夏季研修会 ■主題研究実践交流会 ■人権・同和教育実践交流会 ■学園分掌部会 ■合同同学年部会 ◇兼務教員 ◇学園Co. 日の里学園◎日の里中学校〇日の里東小学校〇日の里西小学校 □宿泊体験学習(5年) □特別支援学級交流(全) □修学旅行(6年) □9年生を送る会(5,6年) □学園歓迎遠足(全) □運動会実技指導(5,6,9年) □校区クリーン作戦(5~9年) □9年生を送る会(全) □特別支援学級訪問 □中学校新入生説明会(6年・生徒会) □小学校校門での朝のあいさつ運動(小・生徒会) ■学園校務会議 ■学園職員会議 ■学園夏季研修会 ■授業交流会 ■人権・同和教育実践交流会 ■学園分掌部会 ■合同同学年部会 ■学園教科部会 ◇兼務教員 ◇学園Co.学びの丘学園◎自由ヶ丘中学校〇自由ヶ丘小学校〇自由ヶ丘南小学校 □宿泊体験学習(5年) □あいさつ運動(全) □特別支援学級交流(全) □生徒会・児童会交流会 □小中合同体育(6,8年) □あいさつ運動(全) □特別支援学級交流(全) ■学園企画運営会議 ■学園職員会議 ■学園授業研究会 ■特別支援学級授業交流会 ■学園夏季研修会 ■人権・同和教育実践交流会 ■学園分掌部会 ■合同同学年部会 ■学園教科部会 ◇学園Co.かとう学園◎河東中学校〇河東小学校〇河東西小学校 □小小合同遠足(3~6年) □ドリカムプロジェクト(全) □宿泊体験学習(5年) □特別支援学級交流(全) □ドリカムプロジェクト(全) □通学路クリーンアップ作戦(6,7年) □職場体験(小・8年) □特別支援学級交流(全) ■学園推進会議 ■学園職員会議 ■授業交流会 ■学園夏季研修会 ■人権・同和教育実践交流会 ■学園分掌部会 ■合同同学年部会 ■学園教科部会 ◇学園Co. 玄海学園◎玄海中学校〇玄海小学校〇玄海東小学校〇地島小学校 □玄海Four school(合同授業)(6年) □合同生活科・社会科見学(全) □宿泊体験学習(5年) □修学旅行(6年) □特別支援学級交流(全) □出前授業(全) □あいさつ運動(全) □さつき松原保全活動(4~9年) □運動会・体育祭 ※玄海小中は合同で実施 □中学校新入生説明会(6年・生徒会) ■CS推進委員会 ■学園職員会議 ■授業実践交流会 ■学園夏季研修会 ■人権・同和教育実践交流会 ■学園分掌部会 ■合同同学年部会 ■学園教科部会 ◇兼務教員義務教育学校大島学園施設一体型の義務教育学校であるため例示なし詳しくは、大島学園HPへ 4.小中9年間の「ふるさと教育」 宗像市では、子どもたちが自分のふるさとに愛着と誇りをもち、将来、地域や社会をより良くしていくための意欲や態度を育むことを目指して、「ふるさと教育」を進めています。これは、伝統、文化、自然、歴史、食べ物など、地域の多様な魅力や、地域の人々の力を借りて、ふるさと宗像について学び、考え、関わり、その魅力を広めていく取組です。 宗像市は、2017年に「神宿る島」宗像沖ノ島と関連遺産群が世界遺産に登録されたことをきっかけに、世界遺産に関する副読本『ふるさと宗像Book』を作り、小学校から中学校までの9年間を通して学んでいます。 また、それぞれの学園がある地域の特性を活かし、生活科や総合的な学習の時間を中心に、地域の方々や保護者と話し合いながら、次のような取り組みを進めています。地域の歴史や豊かな自然環境を学ぶ学習お年寄りを支える福祉や、災害に備える防災など、地域が抱える課題を解決するための学習自分の将来を考えるキャリア教育の充実 このように、小学校と中学校の学習内容を工夫・改善し、地域ならではの特色を出しています。これらの活動には、地域の人々の思いや願い、そして地域の力が加わることで、学校だけではできない充実した教育活動が生まれています。そして、そこには、活動に関わる多くの大人たちの笑顔があふれています。各学園のふるさと教育の例 学園ふるさと教育の名称 テーマ(例) 城山学園 Jチャレンジ学習 ◇福祉 ◇防災 ◇食育 宗像の郷「中央学園」 ふるさと学習 ◇自分づくり ◇地域づくり 日の里学園 日の里カリキュラム ◇地域活性 ◇福祉・防災 学びの丘学園 小中一貫ふるさと学習 ◇地域活性 ◇食育 かとう学園 かとうドリーム学習 ◇自然・地域活性 ◇キャリア 玄海学園 玄海ふるさと学習 ◇自然環境 ◇食育 ◇歴史 義務教育学校「大島学園」 大島ふるさと愛学習 ◇地域活性5. 小中一貫コミュニティ・スクールを支える人々 宗像市では、「学園コーディネーター(学園Co)」という独自の役職を設け、また「地域学校協働活動推進員」をお願いしています。学園コーディネーター(学園Co.) 宗像市独自の取り組みで、退職された校長先生がこの役割を担っています。離れた場所にある小学校と中学校をつないだり、学園の窓口としてコミュニティ・センターなどの地域団体と連携したりと、学園と地域を結ぶ中心的な存在です。地域学校協働活動推進員 令和7年度は25名の方が活動しています。そのうち1名は、玄海学園の統括的な推進員として、玄海学園をまとめる役割を担っています。関連ファイル 宗像市第1期小中一貫教育基本方針(平成24年改訂版)(PDF:203.7キロバイト) 宗像市第2期小中一貫教育基本方針(PDF:390.7キロバイト) 小中一貫CS基本方針(令和7年度)(PDF:964.2キロバイト)