子どもをインターネットの危険から守るために〜SNS社会で「親と子」が今すぐ知っておくべき現実と対策〜11月4日レポート~ 最終更新日:2026年11月4日 (ID:10319) 印刷 こんにちは、小野ママレポーターです。2026年7月22日に宗像市役所で開催された「令和8年度 子どもの安全・安心セミナー」に参加してきました。講師を務められたのは、宗像警察署生活安全課の安藤さん。会場には地域委員さんやPTA保護者、学童保育の指導員の方など、子どもたちの育成に携わる大人22人が集まり、安藤さんの話に熱心に耳を傾けていました。宗像市役所を会場に行われました大人22人が参加皆さん熱心に講師の方の話を聞いていました子どもにスマホを持たせるのは心配…我が家では小学校卒業後にデビュー私自身、現在中学1年生になる子どもを持つ親の一人です。我が子の周りは小学4年生ぐらいからスマートフォンを持っていて、すでにLINEなどのコミュニケーションツールも利用していたようですが、私は抵抗があり、小学校を卒業するころにようやくスマートフォンを持たせました。そして、友人関係やインターネットの使い方、トラブルに巻き込まれないかなど、日々心配と不安が尽きない中で、今回のセミナーに参加しました。お話を聞いて痛感したのは、「親である私たちの知識が数年前で止まっていることの危うさ」「子どもたちが今直面しているSNSトラブルのリアルな恐ろしさ」でした。ご家庭で子どもと一緒に読んで話し合えるよう、親目線の実感も交えて詳しくまとめました。数年前の常識は通用しない!激変するネットとAIの状況講師の安藤さんが強調されていたのは、「ネット環境の変化の速さ」です。ほんの数年前には一般的でなかった「AI(人工知能)」も、今や子どもたちの日常生活や学習、そして恐ろしいことに「犯罪の手口」にまで使われる時代になっています。警察署では定期的に各小・中・高校へ出向き、安全利用のための講話を行っていますが、技術や流行の進歩は止まりません。「自分たちの子供時代はこうだったから」「うちの子は真面目だから大丈夫」という経験則や甘い考えは一切通用しない社会になっていることを、我が子の安全を守るためにも私たちが強く自覚する必要があります。身近に潜む「SNSとネット犯罪」の恐ろしいリアル今回の講話を貫くテーマの中心は「SNS利用における危機」でした。具体的な事例を知ると、決して他人事ではないことが分かります。犯罪の入口は「窃盗」から。福岡でも急増する「特殊詐欺の受け子」少年の刑法犯において、実は全体の53.4%と半数以上を占めているのが「窃盗(万引き、自転車盗など)」です。そして現在、福岡県内でも特に大きな問題となっているのが、子どもたちがSNS経由でスカウトされ「特殊詐欺の受け子・出し子」に加担させられてしまうケースです。「闇バイト」の悪質で巧妙な手口:知らなかった!は通用しない闇バイトへの入口は、特別な暗黒サイトではなく、子どもたちが毎日使っているInstagramやX(旧Twitter)などのSNSです。闇バイトに巻き込まれる恐ろしい流れ接触:SNSで「即日高収入」「荷物を運ぶだけ」といった投稿に惹かれ、DMでやり取りを始める信頼・誘導:言葉巧みに仲を深めた後、通信履歴が残らない秘匿性アプリ「Signal(シグナル)」や「Telegram(テレグラム)」に移動させられる脅迫:身分証明書や顔写真、家族の連絡先を送信させられ、「辞めたい」と言っても「家族の家を襲う」「学校にバラす」と脅迫され、逮捕されるまで抜け出せなくなる「犯罪だと知らなかった」「アルバイトだと思っていた」という言い訳は、警察や裁判では一切通用しません。一度足を踏み入れれば、我が子がある日突然「犯罪者」や「重大な脅迫の加害者」になってしまいます。背筋が凍る思いがしました。オンラインゲームの罠:「画面の向こう」は本当に同世代の友達?顔も知らない相手とボイスチャットをしながら楽しめるオンラインゲーム。しかし、「画面の向こうで優しく話しかけてくる人物は、本当にあなたと同じ小中学生でしょうか?」大人が子どもになりすまし、言葉巧みに親密になって個人情報を聞き出したり、性被害や事件に巻き込む事例が後を絶ちません。薬物問題とオーバードーズ(OD)SNS上では、市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)や違法薬物の取引が、絵文字や隠語(スラング)を使って隠密に行われています。悩みや寂しさを抱えた子どもがSNSで検索し、軽い気持ちで足を踏み入れ、気づいた時には薬物の世界に引きずり込まれています。学校現場で多発する「子ども同士のトラブル」と法的責任外部からの犯罪だけでなく、「子ども同士のSNSトラブル」も非常に深刻です。その多くは、子どもたちの無知や浅はかな判断から起きています。写真のいたずら・加工・拡散は「侮辱罪」という犯罪!友人の顔写真を無断で撮影したり、加工アプリで変顔にしたり、中には生成AIで性的な画像加工を行い、LINEグループなどで共有したりSNSに載せる行為。子どもたちは「ちょっとしたイタズラ」「ウケ狙い」のつもりでやっています。しかし、これは明確に「侮辱罪」や「名誉毀損罪」にあたる犯罪行為です。インターネット上に一度アップされた画像や悪口は、一生涯消えません(デジタルタトゥー)。軽い「いじり」や「悪ふざけ」のつもりでも、警察が動く事件になり、自分や相手の人生、進路、将来を奪うことになります。この重みをしっかり理解させなければなりません。中高生で多発するDV・ストーカー・学校内での盗撮信じがたいことですが、中学生や高校生のカップル間での異常な束縛(DV行為)や別れた後のストーカー行為、さらには学校内でスマートフォンを隠し持って「盗撮」を行う事案も多く発生しています。我が子も中学生になり交友関係や行動範囲が広くなったからこそ、決して他人事ではないと実感しました。LINE利用の現実と保護者の責任LINEは、利用規約において18歳未満が利用する場合「保護者の同意」が必要と定められています。しかし現実には、使っていない小中学生を探す方が難しい状況です。日常のインフラとなっているからこそ、親の適切な関与とルール決めが求められます。世界の潮流と、私たち日本の課題子どものSNS被害を防ぐため、世界各国では非常に厳しい法規制が進んでいます。オーストラリア:2025年12月より、16歳未満の子供のSNS利用を法律で全面禁止イギリス:2023年10月26日に成立した「オンライン安全法(Online Safety Act 2023)」等に基づき、13歳未満の利用を禁止・厳格規制マレーシア・インドネシア:2026年より法律による規制が施行「翻って、私たち日本はどうでしょうか?」日本では法的な規制がまだ追いついていません。だからこそ、学校や警察任せにするのではなく、「各家庭での親の意識」が子どもを守る唯一の砦となります。親子で考える「正しいスマホ・ネットとの付き合い方」ネットには、世界中の人と繋がれる・知識が得られるという大きなメリットがあります。一方で、「我が子が被害者にも加害者にもなりうる」という危険性が潜んでいます。中学1年生の親として、家庭で今すぐ実践したいポイント親自身がネットリテラシーを学び、危機感を持つ「使い方がよく分からないから」「子どもに任せているから」で済まさないこと一方的に取り上げるのではなく、親子で話し合ってフィルタリングを導入する親が頭ごなしに制限を設けても、子どもは裏をかいて隠れて使うようになります。「なぜ危険なのか」を話し合い、親子で納得した上でルールとフィルタリングを設定することが最も大切です。何があっても「まず親に相談できる」関係をつくっておくトラブルになりかけた時、親に怒られるのを恐れて隠すのが一番危険です。「困ったら何があっても守るからすぐ言ってね」と日頃から伝えておきましょう。宗像市地域教育連携室・安部さんにお話を伺いました今回、この「子どもの安心安全セミナー」を開催することになった背景や目的を教えてください。7月は内閣府の「青少年の被害・非行防止全国強調月間」であり、特に「ネット利用による子どもの性被害防止」が最重要課題となっています。夏休みはSNSなどの利用が増え、トラブルに巻き込まれるリスクが高まります。そのため、まずは大人が最新の事例や現状を学び、家庭や地域で子どもを守るためにできることを考えるきっかけとなることを目的に開催しました。子どもの安全を守るために、学校・家庭・地域はそれぞれどのような役割を担うことが大切だと考えていますか。宗像市では「小中一貫コミュニティ・スクール」を通して、地域全体で子どもを育てる取り組みを進めています。学校だけで解決が難しい課題も、それぞれの立場で話し合い、協力して解決を図っています。また、日頃から地域と子ども・家庭がコミュニケーションを取り、関係を築いておくことが大切です。危険な場面で地域の人が声をかけられる関係性こそが子どもを守る第一歩であり、誰もが「地域の子どもを守る一員」という意識を持つことが欠かせません。保護者自身がSNSやネットリテラシーを学ぶには、どのような方法がおすすめですか。宗像市地域教育連携室では、保護者向けの「家庭教育学級講座(年3回)」や「安全安心セミナー(年1回)」を開催しており、ネットリテラシーをテーマにした回もあります。お知らせは市公式LINEや広報紙、学校の「すぐーる」で配信しています。また、市内に在住・通勤する10人以上の集まりであれば、出前講座「ルックルック講座」を利用してネットリテラシーについて学ぶことができます。最後に、宗像市の保護者や地域の皆さんへ、子どもたちを守るために一番伝えたいメッセージをお願いします。宗像市では、地域全体で子どもを育てる機運が高まっています。大人が当事者意識を持って日常的に子どもと関わることは、教育環境の充実だけでなく、子ども自身の「自分を守る力」や「困ったときに相談できる大人との関係づくり」につながります。ぜひ、学校や地域の活動へ積極的にご参加ください。(表記はレポーターの表現を優先しています)