産官学連携で脱炭素社会の実現を目指す「宗像ブルーカーボンコンソーシアム」 最終更新日:2025年10月30日 (ID:9182) 印刷 産官学連携で脱炭素社会の実現を目指す「宗像ブルーカーボンコンソーシアム」産学官連携でブルーカーボンを活かした脱炭素社会の実現を目指す宗像市では地元漁業関係者、研究機関、企業、大学など様々な関係者と連携し、世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の豊かな海の保全と活用を通じて、地域課題の解決をするとともに脱炭素社会の構築を目指してきました。令和7年には「宗像ブルーカーボンコンソーシアム」を立ち上げさらなる活動の広がりを図っています。6月に開催した設立式には約50人の参加者が集まり、それぞれの活動内容を紹介し合いながら、今後の連携の可能性について意見を交わしました。宗像の海宗像市沿岸域は、2017年7月にユネスコ世界文化遺産に登録された『「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺跡群』や、海女の発祥地とされる鐘崎を擁する歴史の深い海域です。同海域ではウニやアワビ等が漁獲されるほか、とらふくやアジ、アナゴ等がブランド化されています。また、地島沖では、冬季に天然ワカメの素潜り漁が行われており、皇室への献上ワカメとして知られています。このような深い歴史と豊かな里海は、地域における貴重な資産として認識されており、そこに生きた「宗像人(むなかたびと)」により守り引き継がれてきましたが、藻場の減少や、漁業者の高齢化による担い手不足などの課題も抱えています。市では、この「宗像人」の想いを受け継ぎ、将来に渡って守っていくため、藻場の保全活動や資源管理に取り組んでいます。海の環境保全活動具体的な藻場の保全活動としては、国、福岡県、宗像漁業協同組合等と連携し、海洋調査、食害生物(ウニ)の駆除、母藻(ぼそう)の設置、岩盤清掃等を行ってきました。令和4年度からは、産官学連携で駆除ウニの陸上養殖法の開発支援による経済循環に着手し、「宗像ウニプロジェクト」へと発展しました。⇒ 宗像ウニプロジェクト教育学習の実施藻場の増殖試験に、漁業者と小中学生が取り組む授業プログラムを実施しています。担い手の育成を継続的に実施することで、里海づくりの持続性が高まることを期待しています。令和6年度は、小中学生と漁業者が協力し、養殖施設の組み立て、海藻の種苗取付け作業を行いました。作成された養殖施設は漁業者によって海底に設置されました。⇒ 中学生とアカモク種苗の取り付けを行いました!ブルーカーボンクレジット令和6年11月には、藻場の再生・保全活動によって削減したCO₂量をクレジット化する「Jブルークレジット認証」を県内で初めて取得しました。藻場を維持・再生し、CO₂吸収源を拡大していくためには、ウニ駆除活動の規模拡大やより積極的に藻場を増やす取組が必要であり、その活動資金の確保が課題となっています。その解決方法として、Jブルークレジットの売却や企業版ふるさと納税など新たな資金調達の方法を模索しています。