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029 シルクロードの旅(前編)

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絹の道

絹の道2

シルクロードという名前は、「道」の名称として最も有名なのではないでしょうか。

絹が、中国からヨーロッパに運ばれたことから、19世紀、ドイツの地理学者・リヒトホーフェンが用いた「絹の道=Seidenstrassen(ザイデンシュトラーセン)/ドイツ語」が英訳され、「Silk Road(シルクロード)」として広まりました。

シルクロードは、陸路の「草原(ステップ)の道」「オアシスの道」、海上路の「南海ルート」の3つの道で構成されています。

中国とローマを結び、絹や宝石、香辛料、紙、陶磁器、ガラスなど、多くの物資が運ばれた貿易の大動脈です。現在でいうなら、「大陸横断道路」です。

また、さまざまな文化を伝え、世界中に大きな影響を与えた道です。

言葉に見る影響

例えば、日常生活で「胡椒(こしょう)」「胡桃(くるみ)」「胡麻(ごま)」「胡瓜(きゅうり)」などはよく使うのではないでしょうか。これらは、シルクロードを通りヨーロッパやインドなどから中国にもたらされた各地の特産品です。そして、これらに共通する「胡」の漢字は、古代中国では「異民族」や「中国より西側地域」を意味することから、シルクロードを示す漢字でもあります。

各国の様子を伝えた旅人

このような言葉の元になった物資や文化、各国の情勢は、1271年から25年に及ぶ大旅行を記録した「東方見聞録(とうほうけんぶんろく)」をまとめ、帰国後は、ベネチアの商人として活動したマルコ・ポーロや、629年から16年間、仏教研究のためインドを単身で旅し、「大唐西域記(だいとうさいいきき)」をまとめ、法相宗を開いた玄奘(げんじょう)ら、多くの旅人の手で各地に伝えられました。

そして、シルクロード沿線の都市は華やかに栄え、その残映を今もなお見せています。

シルクロードと宗像

沖ノ島に奉献されたカットグラス碗
沖ノ島に奉献されたカットグラス碗

最後に、宗像に見るシルクロードを紹介します。

世界遺産登録を目指す「沖ノ島」は、国家的祭祀(さいし)が実施され、「海の正倉院」と呼ばれるほど、多くの品が奉納された島です。この奉献品には、イラン周辺で作られたガラス製のわんなど、シルクロードで運ばれてきた品々があります。奈良や京都へさまざまな輸入品が運ばれる中、航海安全を祈り、貴重な品々が奉納されたのでしょう。宗像は、日本とシルクロードを結ぶ重要な地だったのです。

海の道むなかた館では、9月18日(水曜日)から11月24日(日曜日)、新市制10周年記念特別展「シルクロード~オリエントの世界~」を開催。シルクロードの代表的な地域・オリエントの世界、そこから運ばれたガラス製品などを紹介します。オリエントの世界を感じてみませんか。【後編へ】

(文化財職員・沖田正大)


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海の道むなかた館

【開館時間】9時から18時

【休館日】毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)年末年始(12月29日から翌年1月3日)

【入館料】無料(特別展示等の場合は、有料となることがあります。)

【駐車場】車:114台(身障者用4台)バス:6台

〒811-3504
福岡県宗像市深田588番地
TEL.0940-62-2600 FAX.0940-62-2601

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