121 時代を映す趣味の王様「切手」 最終更新日:2026年6月2日 (ID:10048) 印刷 切手収集イメージ「見返り美人」と「月に雁」。このキーワードにピンときた方は、切手収集の趣味をお持ちかもしれません。私たちのくらしの中で何気なく使われる切手は、「趣味の王様」とも言われるコレクター性の高い一品です。特に1950~60年代は、切手ブームと呼ばれるほど切手収集が社会現象となり、切手購入のために学校を休む子どもや、切手商の投機的な買占めが問題にもなりました。読者には、こうした切手収集に熱中し、発売日に郵便局で買い求めたり、デパートの切手店を訪れたりした記憶がある方もいるのではないでしょうか。そして、切手は時代を映す小さな歴史資料でもあります。切手の額面の変化は、時代とともに変化する貨幣の価値を映し出しています。明治4年(1871)の日本最初の切手は、額面が48文~500文の4種で、最安の郵便料金は1通100文でした。現在のハガキ1通85円は8500文に相当し、約160年間の通貨価値の変化(大インフレ!)に驚かされます。また、切手発行時の国内事情を窺い知ることができるのも特徴の一つです。関東大震災や第二次世界大戦期には簡易切手が発行され、天皇即位やオリンピックなどでは必ず記念切手が発行されています。それらを発行順に並べるだけで日本の近現代史を俯瞰することができるのです。海の道むなかた館では、6月14日まで「時代を映す日本の記念切手―岡部修コレクション―」を開催。あの名品「見返り美人」や「月に雁」もご観になれます。(文化財係 池田)