更新日:2023年7月19日
教育基本法の改正や学校教育法の一部改正によって、学校教育は「生きる力」の育成を目指すものだということが明確に示されました。学習指導要領にも、この生きる力の理念を実現するための具体的な方針、目標、学習内容などが示されています。
子どもたちの実態を見ると、基礎的・基本的な知識・技能の習得やそれらを活用して課題を解決する力などの学力の向上、自分に自信を持って生活し、他者を思いやる心の育成や体力づくりなどに課題があります。
このような課題を克服するためには、学校を含め地域社会全体が、長期的に子どもたちを育てていく具体的な手立てや効果的な指導をするための条件整備をしていくことが重要です。
そのために、市教育委員会では、学校・家庭・地域が連携を深めながらそれぞれの教育力を発揮するとともに、保・幼・小・中・高という異校種間の効果的な接続を図っていきます。
このように連携・接続を深めていくことを中核として、「信頼される学校づくり」「子育て・子育ちを支えるまちづくり」「市民の学習の場づくり」に取り組むとともに、平成24年度から施行する宗像市子ども基本条例に基づき、「安心して子どもを育てることができるまち宗像」の教育を創造していきます。
信頼される学校づくり
子どもたちの生きる力を育むには、確かな学力、豊かな心、健やかな体の知・徳・体をバランスよく育てることが大切です。
このため、就学前教育から小学校、小学校から中学校への円滑な接続を図る取り組みや、学校・家庭・地域との連携を推進して、信頼される学校づくりに取り組みます。
1. 子どもが意欲的に学ぶ小中一貫教育の充実と発展
子どもたちに、学ぶことの楽しさや目標を達成することの喜び、学び合うことの大切さを味わわせる小中一貫教育を、さらに推進していきます。特に、学ぶ意欲の高まりを重視した小中一貫教育の充実と発展を目指します。推進にあたっては、調査研究校や推進校の研究を生かして、小中一貫教育推進プランを作成するとともに、小中一貫教育支援教員を配置して、より効果的、組織的な実践に努めていきます。
また、学校運営評議委員会の開催、広報紙や学校だよりの発行などを通して、市民と保護者に対し、広く小中一貫教育への理解と支援を得られるように努めます。
保育所・幼稚園と小学校の接続については、現在設置している連絡会を活用し、保・幼・小の協力体制を充実することで相互理解を図ります。
2. 確かな学力を育む学習指導の充実
子どもたちの確かな学力を育むため、「めあて」と「まとめ」・「交流」のある授業への改善を一層図るとともに、ICT(情報通信技術)を活用した授業づくりを推進します。その成果は、「学習意識調査」や「統一学力テスト」を実施し客観的に評価していきます。
また、子どもたち一人ひとりの課題に応えるよう、学力向上支援教員の配置や学校支援ボランティア事業の推進に引き続き取り組みます。
新学習指導要領の基本理念である「生きる力」を育むため、市教育センターから教育情報を発信したり各種研修会の内容や運営方法を実効性のあるものに改善したりして、教員の資質向上を図ります。
3. 豊かな心を育む教育活動の充実
自分を大切にし、他人を思いやることのできる豊かな心を持つ子どもたちを育成するために、資料を適切に活用した道徳教育や「人・もの・こと」と関わる体験活動を重視した特別活動を充実させます。
特別支援教育推進事業は、保・幼・小・中の一貫した支援体制の強化を図るために、発達支援センターとの連携や市特別支援連携協議会の取り組みを推進するとともに、各学校で個別の教育支援計画・個別の指導計画に基づく指導の充実を図ります。
読書活動の推進は、児童生徒に読書の楽しさを実感させ、言語力を育みながら読書習慣を身に付けさせるよう、学校図書館の利用促進を図り、読書環境の充実に取り組みます。
児童生徒の「自ら考え、課題を解決する力」を育成するために、学校図書館の機能を活用した「調べ学習」などの学習活動を展開し、その発表の場である「図書館を使った調べる学習コンクール」を引き続き実施します。
4. 健やかな体を育む教育活動の充実
全国的な課題である子どもたちの体力低下に対する取り組みとして、発達段階に応じた運動の機会の充実を図ります。その成果は「新体力テスト」を全小中学校で実施し客観的に評価していきます。
食育は、「食」に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけられるよう、学校の教育活動全体で取り組んでいきます。特に、栄養教諭や学校栄養職員との連携による指導の充実を図っていきます。また、生産活動に対する理解と関心を深めるとともに、郷土愛を育むため、地場産物の積極的な活用を図ります。
学校での食教育の一層の推進が図られるよう「学校・家庭・地域連携食育事業」を引き続き実施します。
5. 学校関連施設の環境整備と危機管理体制の充実
学校施設整備は、小・中学校の教育施設の整備を計画的に進めていきます。
玄海小学校の建て替えは、事前工事を実施し、本体工事に着工します。さらに小中一貫教育の効果的・効率的な運営ができるよう、玄海中学校施設の一部整備を実施します。
また、吉武小学校と東郷小学校の校舎大規模改造工事に着工します。さらに、全ての小学校に天井扇(扇風機)を設置します。
学校、児童・生徒の安全確保や防災対策として、防犯カメラの設置や危機管理マニュアルの再点検を実施します。また、子どもが自ら考え行動できる防災教育の充実や訓練の徹底などに取り組みます。
【主な取り組み・事業】
小中一貫教育推進事業
子どもたちが学ぶことの楽しさ、目標を達成する喜び、学びあうことの大切さを学べるように、市内全小・中学校で小中一貫教育の充実を図っていきます。
また、その一環として、市教育委員会独自で非常勤講師5人を配置します。
教職員研修事業
教職員の資質向上を図るため、市教育委員会主催の研修を企画実施します。
また、県教育センターが主催する研修の情報を案内します。
学力向上支援事業
「確かな学力」を育成するため、指導方法の工夫改善に取り組む小・中学校に、市教育委員会独自で非常勤講師24人を配置します。
特別支援教育推進事業
発達障害など特別に支援が必要な児童・生徒へ対応するため、学校に特別支援教育支援員を配置します。
また、特別支援学校や発達支援センターと連携して、専門家チームを学校に派遣し、指導方法などに関する助言や情報提供を実施します。
玄海小学校改築事業
児童や教職員の安全確保のため、学校の全面改築事業を実施します。
学校給食における学校・家庭・地域連携事業
望ましい食習慣を身につけるため、家庭・地域と連携を図りながら、各小・中学校で食育を推進します。
中学生職場体験事業
将来の夢や自分の適性を考えるきっかけとするため、市内事業所の協力を得ながら市内の中学2年生全員が、5日間の職場体験活動を実施します。
調べる学習コンクール
「調べ学習」を通じて、「自ら考え、課題を解決する力」を養うため、「第7回図書館を使った調べる学習コンクール」を実施します。
学校情報化事業
教育活動支援システムや教材コンテンツの活用による基本的なパソコン操作など情報教育推進や、デジタル教材を取り入れた、より理解を深める授業研究を進めます。
学校情報化モデル検証事業
学校情報化モデル校を指定し、電子黒板などの情報機器導入の効果(児童・生徒の学力向上、教員の教材作成負担などの軽減・授業効率)を確認し、効果的な導入計画を検討します。
防犯カメラ
児童・生徒の安全を確保するため、市内18校の校門や玄関などに防犯カメラを設置していきます。
東郷小・吉武小大規模改造事業
東郷小学校と吉武小学校校舎の大規模改造工事を実施します。
天井扇(扇風機)設置事業
児童・生徒の熱中症を予防し、快適な環境で授業を受けられるようにするため、普通教室の天井に扇風機を設置していきます。
子育て支援の連携
幼児教育は、児童期における発達の流れをつくる重要なものです。子どもたちを健やかに育てていくために、保育所・幼稚園や学校・家庭・地域が連携した総合的な取り組みが必要です。
そのため、子ども部との密な連携を図り、保育所・幼稚園と小学校との接続の強化やそれぞれの情報共有を推進します。
1. 家庭・地域教育力の向上
各地区コミュニティや幼稚園保護者、小・中学校PTAの家庭教育講座や各種講演会の開催を促進し、家庭・地域の教育力の啓発と向上を促進します。また、小・中学校PTA会長会の開催などで、PTA活動の活性化を支援します。
2. 幼児教育の振興
幼児教育振興プログラムに基づく施策を効果的に実施することで、保育所・幼稚園・小学校の協力体制を強化するとともに、家庭や地域との連携を図り、幼児の健やかな成長を支えていきます。
主な取り組み・事業
家庭教育学級
家庭や地域の教育力を高めて青少年の健全育成を図るため、小・中学校PTA、幼稚園保護者会、コミュニティ運営協議会主催の「家庭教育学級」を開設します。
幼児教育振興事業
保育所・幼稚園から小学校へ進学した児童がスムーズに小学校生活になじむように、保育所・幼稚園・小学校の接続を強化します。
市民の学習の場づくり
市民が自ら進んでする学習やスポーツ、文化、ボランティアなどの活動のための場づくりや事業の提供を実施していきます。
市民図書館運営の充実
市民の生涯学習を支援し、多様な学習ニーズに対応するため、平成23年度に策定した「宗像市民図書館運営計画・後期計画」に沿ったさまざまな取り組みを推進します。
本年度から新たに、中央館でのICタグを活用した貸出・返却サービス、中央館2階を活用した調べ学習支援、深田分館での「郷土文化学習交流館」との連携事業に取り組みます。また、引き続き関係機関やボランティア団体との連携・協働を図ります。
市民活動の推進
市民活動団体の活動支援を実施するとともに、市民の文化・スポーツ活動の推進を図ります。また、文化財についての保存・継承・活用を実施します。
主な取り組み・事業
図書館サービスの充実
市民のみなさんの読書環境を整備するため、地域情報コーナーや小・中学生対象の調べ学習支援コーナーを開設し、資料や情報の提供を実施します。
ブックディテクション(図書無断持ち出し防止装置)整備事業
中央館(宗像ユリックス図書館)に自動貸出機とブックディテクションを設置し、利用者のプライバシー保護や図書の無断持ち出し防止を強化します。
須恵分館整備事業
須恵分館(旧中央公民館図書室)の新築工事を実施します。
市民文化活動振興事業
市民のみなさんが活発に文化活動ができるよう、市文化協会の活動の支援やむなかた文化祭、こども芸術祭など、日ごろの活動を発表する場を提供します。
次世代文化芸術育成事業
小学生に伝統文化を体験する機会を提供し、伝統文化の継承を図るため、小学校で市文化協会が実施する伝承活動の支援をしています。平成24年度は、特にPRに努めます。
市民スポーツ推進事業
市民のみなさんが、生涯を通してスポーツ活動に親しむことができるよう、体育協会をはじめとしたスポーツ団体の活動を支援します。
また、スポーツ推進委員が中心となって取り組む健康づくり支援としてわかめ体操や玄米ニギニギ体操などの指導者育成を実施します。
海の道むなかた館展示活用事業
世界遺産登録推進のためのガイダンス機能に、博物館としての各機能を備えた歴史文化継承の拠点施設として、市内の貴重な歴史・文化遺産を市民や来館者に紹介するとともに、体験学習をはじめとした文化財の利活用を推進し、歴史文化あふれる場として活用できるようにします。
パソコン教室で授業を受ける児童
第6回図書館を使った調べる学習コンクール表彰式の様子
玄海小学校改築工事の本体基礎工事の様子
前年度小学校に設置した天井扇(扇風機)
電子黒板の操作の説明を受ける情報教育担当教諭
城山中家庭教育学級・人権講演会「君をいじめから守る」
吉武小学校大規模改造工事を実施する校舎棟
文化協会による伝統文化の小学校出前授業の様子
小学生にニュースポーツの指導をするスポーツ推進委員(右端)
4月28日にオープンする海の道むなかた館
このページに関する問い合わせ先
教育部 教育政策課
場所:市役所本館3階
電話番号:
教育総務係:0940-36-5099
学校整備プロジェクト室:0940-36-9610
地域教育連携室:0940-36-1169
ファクス番号:0940-37-1525
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