更新日:2019年5月24日
海の道むなかた館では、9月29日(火曜日)から11月15日(日曜日)、秋の特別展「鈴の文化史」を開催。より「鈴」の魅力を楽しむために、今回は、「鈴」の豆知識を紹介します。
「音」と共にあった人々の生活
古来、人々は、さやさやと吹く風やさらさらと流れる水、小鳥のさえずりなど、自然界がもたらしてくれるさまざまな「音」に耳を澄ましてきました。「音」は、身の回りの木や石をたたくだけでも簡単に出せるうえ、音源を聞き分けると牧畜や狩猟に役立っただけでなく、さまざまな合図にもなります。さらに、高低・強弱・リズムを付けると楽曲にもなり、折々の祭りに欠かせなくなりました。
そこで人々は、さまざまな材料を活用して、必要な「音」、好みの「音」を生み出す多様な鳴り物(楽器)を作るようになりました。
鳴り物類のうち、ことのほか愛好された「鈴」について紹介します。
「鈴」の豆知識
鈴の読み方と鳴らし方
- 「すず」=振る
- 「レイ」=揺らす
- 「リン」=たたく
材質
貝(骨、角を含む)、木(竹、殻〈から〉を含む)、土(陶磁器を含む)、金属、ガラスなど
作り方(金属製)
- 鋳造= 2枚の型の隙間に溶かした金属を流し込む
- 鍛造=薄い金属板をたたいて成形する
変わった鈴
- 鳴る土偶(縄文時代)
- 銅鐸(どうたく)(弥生時代)
- 鈴を付けた土器(古墳時代)
- 鈴を付けた剣・刀(古墳時代)
- 大将軍の印(平安時代)
- 鈴を付けた狛犬(こまいぬ)(鎌倉時代)
- 鈴の音が癒やしに(江戸時代)
一番小さな鈴
千葉県金鈴塚(きんれいづか)古墳の金製の鈴で、直径8mm(展示していません)
特大の鈴
市内平等寺瀬戸1号墳から出土した馬の胸に下げた銅鈴で、総高121mm
内部の丸(がん)の材質
日本では石、朝鮮では金属が多く、好みが分かれます
男女のどちらが使うのか
鈴を付けた埴輪(はにわ)は男子像が圧倒し、女子像では巫女(みこ)の鈴鏡に限られるのが意外です
ムナカタ人は鈴が大好き
現宗像・福津両市域に当たるムナカタでは、5から6世紀代の古墳から、計32点以上もの鈴が出土していて、旧郡単位では最多
実際に見て、聞いてみよう
現在も、私たちの身近にある「鈴」。旧宗像郡域に当たるムナカタの古墳からの出土資料をはじめ、宮崎の3鈴や、県内各地からの出土品や古文書を中心とする約100点を、「鈴の文化史」として紹介します。会場では、みなさんの鈴についての関心・疑問に展示で答えます。実際に、鈴や銅鐸(レプリカ)を鳴らして、音色を聞き比べてみてください。
今回の展示では、他地域との比較や、さまざまな局面で登場した歴史をたどります。市民のみなさんの「ふるさと むなかた」の先進性や独自性に寄せる幅広い関心に、応えることができれば幸いです。
(文化財職員・石山勲)
さまざまな鈴の魅力をお楽しみください
このページに関する問い合わせ先
教育部 世界遺産課 文化財係
場所:海の道むなかた館
電話番号:0940-62-2600
ファクス番号:0940-62-2601
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