更新日:2019年10月15日
みなさんは「沖ノ島」というと、どんなイメージが浮かぶでしょうか。静かながら迫力がある神秘的な森や、荒波が打ちつける海岸がその筆頭でしょうか。
沖ノ島には、縄文時代から現代までの遺跡が残るほか、絶海の孤島が持つ特異な自然地形にも圧倒されます。残念ながら、みなさんを島に案内することはできませんが、このような遺跡や地形を知る方法の一つに「赤色立体地図」があります。同地図は、航空レーザー計測をもとに赤色を変化させ作成した全く新しい地形の立体表現手法で、一枚の画像で地形が詳細に立体的に表現されます。
市では世界遺産登録活動時に沖ノ島の赤色立体地図を作成しました。この地図を見ると、沖ノ島祭祀遺跡の特徴である巨岩群が島の南側だけにあり、北側は深い谷のある斜面になっていることが分かります。島の形成過程が要因で北側と南側でまったく表情が異なるのです。
人間の活動の痕跡を探すと、古代祭祀の舞台となった巨岩の集まる遺跡とともに、真円形などの人工的な形をした部分も目につきます。これらは昭和10年代に造られた旧陸軍の沖ノ島砲台の跡で、ほとんど同時期に旧海軍も潜水艦探知のための施設を造っています。古代から続く信仰の島も、時代の波に翻弄(ほんろう)されたことをこの地図は伝えてくれます。
海の道むなかた館では、特別展として11月に地図をテーマとした展覧会を開催(左記事参照)。沖ノ島の赤色立体地図も展示します。
(文化財職員・池田)
沖ノ島の赤色立体地図
このページに関する問い合わせ先
教育部 世界遺産課 文化財係
場所:海の道むなかた館
電話番号:0940-62-2600
ファクス番号:0940-62-2601
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