べじたぶる5月号「目標へと一歩ずつ 父への感謝と娯楽を力に」~中山 博之さん~ 最終更新日:2025年5月1日 (ID:8273) 印刷 中山 博之さん営農年数:23年目営農地:宗像市牟田尻栽培品目:キャベツ・米・麦・大豆・その他露地野菜作付面積:10haUターンして就農農家の下に生まれ、中学から大学まで農作業を手伝っていたという中山さん。「当時は“遊びたいのに手伝わなきゃいけない”という不満もあって、就職を機に実家を離れた」と話しますが、働くうちに「人生このままで良いのか」と考えるようになったといいます。農業を続けるお父さんが心配だったこともあり、41歳のときに継ぐことを決意。「農業から逃げたようなかたちだったから、父親には頭を下げた。口には出さなかったけど、内心は嬉しかったんじゃないかな」と懐かしみます。 その後はお父さんと共に作業をしながら技術を習得。さらに、営業職で培ったコミュニケーション能力や協調性を活かして、農家仲間との交流も深めてきました。農業を続けるために 農業において大変なことを尋ねると、天候に左右されることだと話します。だからこそ、天候で作業がずれ込んでも大きな影響が出ないよう、予め前倒しのスケジュールを組むよう工夫。また、近年AIなどの活用が進んでいる農業界ですが、その中でもお父さんの教えである「圃場に足を運んでしっかり観察する」ということを大切にしています。 そんな中山さんが心掛けているのは、モチベーションを維持するためにも楽しみをつくることです。宴会や旅行、コンサートなど楽しみ方はさまざま。「そこに向かって頑張れば幸せを感じられる。それと、キャベツを食べてくれた人からの“おいしかった”の一言も頑張れる理由の一つかな」と教えてくれました。あふれた父への感謝 営業担当として駆け抜けた20年間を上回り、就農23年目を迎えた中山さん。達成感も厳しさも味わいながら経験を積み、7~8年ほど前からは自分のペースで作業できるようになりました。そしてそれは、お父さんが亡くなられた時期と重なります。「もうすべて自分で考えながらやっていかないと、と思った。たくさん怒られたけど、それは子どもに対する愛だったと気づけた。親のありがたみは亡くなってから分かるもんだね」と、今だから言える感謝の気持ちを語ります。 目標は、70歳まで現状を維持すること。「そこからは自身の気力・体力と向き合いながらゆっくりやっていきたい」と話します。お父さんの教え、そして感謝の気持ちを胸に、これからも農作業に励んでいきます。ご自慢のキャベツ広大キャベツ畑関連リンクJAむなかた 月報誌「べじたぶる」バックナンバー(外部サイトにリンクします)