子どもの安心・安全を守るために~10月12日レポート~ 最終更新日:2025年10月12日 (ID:9002) 印刷 こんにちは。かえママレポーターです。毎年7月は青少年の被害・非行防止全国強調月間です。令和に入り、少年犯罪は全国で増加傾向にあり、福岡県の少年犯罪件数は全国でワースト6位だそうです。子どもが犯罪に巻き込まれたニュースを見るたびに「子どもの安全を守りたい」と思いながらも、大人として、親として何をすればよいのか悩んでいました。そんなときに「令和7年度子どもの安心安全セミナー」の開催を知り、参加することに。今回は、このセミナーで知ったことや考えたことをレポートします。セミナーのチラシ子どもの安心安全セミナーセミナーは令和7年7月25日に市役所で開催されました。講師は宗像警察署生活安全課の安藤さん。普段は未就学児から高齢者まで幅広い年齢層の方を対象に講義をされています。今回、安藤さんからは、薬物乱用や特殊詐欺などについて具体的な事例とともに教えていただきました。子どもの安心安全について学ぶために、多くの人が集まっていました薬物乱用「薬物乱用」と聞くと、自分とは関係のない別世界のものだと感じる方が多いのではないでしょうか。しかし、現在はとても身近にあるもので、SNSでは薬物に関する投稿が多く見受けられるそうです。このような投稿に対し、警察はサイバーパトロールで削除・取締りをしているそうですが、SNSを通して気軽に手を出してしまう若者が多いことが問題になっています。覚せい剤や大麻、危険ドラッグ(旧脱法ハーブ)など、こうした薬物には強い中毒性だけでなく身体への大きな害もあります。特殊詐欺に加担する少年特殊詐欺、いわゆる闇バイトも、薬物と同じようにSNS上で募集があり、「高収入」「簡単」「すぐに支払い」などといった誘い文句とともに投稿されているのだそうです。闇バイトの内容は、振り込め詐欺や強盗、売春などさまざまです。誘い文句に乗ってしまったら、最初に身分証の提示を求められるため、もし辞めたくなったとしても家族などを脅しの材料にされ、抜けられなくなります。そもそも闇「バイト」と言われていますが、犯罪です。実際にこうした特殊詐欺に加担し逮捕された高校生もいます。SNSに関する問題大人だけでなく子どもにも広く普及しているSNS。SNSに起因する被害も多く出ています。その一つが性被害。SNSを通して出会った人から被害に遭う子どもは男女関係なく多いのだそうです。中には、被害に遭っても警察には言えずに一人で苦しむ子どもも。もしも性被害の相談を受けたら、警察やチラシに記載の相談機関に相談しましょう。警察庁・文部科学省チラシ民間の相談機関もあります情報発信に関する問題情報発信に関する問題の具体例として主な4つを教えていただきました。写真・動画の投稿多くの人が気軽に投稿する写真や動画の中には、個人情報が含まれていることも。何気なく投稿した写真に写った制服や名札、家などの情報から個人情報が特定され、ストーカーや誘拐事件に発展する恐れがあります。恐ろしいですよね…。悪ふざけお店などで迷惑行為を悪ふざけのつもりで投稿し、SNS上で大炎上してしまい、そこから本人や家族などの個人情報が特定されたこともあります。実際に迷惑行為を受けた会社との訴訟問題へ発展したことも、例にあがっていました。誹謗中傷誹謗中傷の問題は小学生などの低い年齢の子どもたちの間でも起こる問題です。著作権侵害インターネット上に許可なくアップしたり、アップされたものを見たりする問題もとても多いそうです。これらの問題について、親は子どもにどう教えたらよいのか。それには以下の4点が理解のポイントとなります。個人情報は特定される情報は拡散される罪に問われることがある発信した情報の責任は自分にある拡散されることを考えずに子どもは投稿してしまい、大きな問題となっていきます。インターネット上に一度アップされると、インターネット上から完全には消すことはできません。デジタルタトゥーという言葉でも知られる問題ですね。こうした危険性を子どもが理解できるようにする必要があります。情報受信に関する問題また、SNSには発信だけでなく受信に関する問題もあります。自分にとって有益・見たい情報しか見ておらず、価値観や考え方の偏りに繋がることも。有害な情報が簡単に見つかることも大きな問題となっています。情報の受信に関する問題を理解する上でのポイントは以下の4点です。表示された情報に偏りがちになる誤った情報が混じっている違法情報や有害情報が氾濫している犯罪行為であると取締りの対象となる様々な情報が溢れている現代、子どもだけでなく大人も大切にしたいポイントですね。発信や受信に関する問題について詳しく書かれています児童ポルノ被害自らを撮影した画像を拡散されたり、それをもとにリベンジポルノ被害に遭ったりすることが大きな問題になっています。この問題については親である私たちも気を付ける必要があることを、安藤さんは言及していました。子どもの下着や水着姿、または裸や裸に近い写真をSNSにアップしている人が多く見受けられます。子育ての記録や日常を投稿しているつもりでも、児童ポルノ被害などの犯罪に巻き込まれてしまう恐れがあるのです。児童ポルノについての講義の際、安藤さんはプライベートゾーンについても話をされるそうです。水着を着た時に隠れる部分のことをプライベートゾーンといいます。こうしたプライベートゾーンを知らない人だけでなく知っている人にも触らせない・見せないと幼少期からしっかりと教えることが、被害の防止へと繋がるはずです。また、SNSでのコミュニケーションについては、以下のことをポイントとして子どもに伝えることが大切だそうです。相手は素性を偽っている可能性がある見ず知らずの人からのDMに注意をする裸やそれに近い画像を送らないSNSなどで知り合った人と安易に会わない子どもを守るには?子どもが巻き込まれる犯罪について知ると、子どもをSNSやインターネットから遠ざけたくなります。しかし、無縁で生きていくことは不可能に近い現代。インターネットと関わらせないのではなく、正しい使い方を教えていくことが大切です。対策としては、フィルタリングやID・パスワードの管理があります。これらの対策は決して過保護ではなく、見なくてもいい情報から子どもを守る大人の役目なのだと安藤さんはおっしゃっていました。子ども任せにせずに親も勉強し、年齢に合わせてフィルタリングを変えたりアプリを管理したりと、安全にインターネットを利用するためのサポートをしていきたいですね。私の娘はまだSNSを使用することはありませんが、使う年齢になったときには娘と事前に勉強し、こうした対策をしっかりと行いたいです。最後に安藤さんは今までの経験から多くの子どもたちと出会われており、その中には「困っている」「寂しい」などの思いを言葉にできない、自分の感情を理解できないことから問題行動という形でSOSを出す子どももいるとおっしゃっていました。大人として、子どもの小さなSOSに気づくことが、子どもを救う大きな一歩となります。宗像市には、子どもを守るための取組みが多く行われており、その中の一つに「宗像市子ども基本条例」というものがあります。この条例は、子どもの健やかな成長が保障されるまちづくりを推進するためにつくられました。宗像市子ども基本条例の冊子「宗像市子ども基本条例」の冊子は、以下の方法でも入手できます市役所子ども育成課(西館1階)「市HP宗像市子ども基本条例」からダウンロード「こどもにやさしいまち むなかた」をつくること、つまり、子どもたちが安心して暮らせるまちにしていくことが、大人としての責務であると思います。そのためにも、自分の子どもだけでなく、身近な子どもが発している小さなSOSに気づける大人でありたいです。(表記はレポーターの表現を優先しています)