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私の中のアンコンシャス・バイアス「無意識を意識する」~8月11日レポート~

最終更新日:
(ID:8650)

こんにちは。かえママレポーターです。

近頃、性別や国籍、年齢による偏見についてテレビやSNS、様々なメディアで取り上げられている中で、私は人を無意識に傷つけていることがあるのでは?とずっと思ってきました。その思いは、出産し子育てをする中でより大きくなっています。

そんな中、6月24日の宗像市男女共同参画推進センター「ゆい」が主催の「私の中のアンコンシャス・バイアス~無意識を意識する~」に参加してきました。

子どもに伝えたいこと、そのために親である自分がどうあるべきか、じっくりと考えるきっかけとなった講座について、レポートします。


今回の講演をしてくださった方は、NPO法人福岡ジェンダー研究所の副理事長横山美栄子さんです。

  • 01 横山先生

    横山さん


この日の講座には、男女問わず幅広い年代の方が参加されていました。

横山さんからの質問に対し、参加者の皆さんがこれまでの経験で感じたことなどが出るたびに「なるほどなぁ」「わかるわかる」という声。

会場全員で考えることができる、温かい雰囲気の講座でした。

  • 02 老若男女の参加がありました

    老若男女の参加がありました

アンコンシャス・バイアスとは?

皆さんの中に「バイアス」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

災害時の「正常性バイアス」という言葉がメディアでよく取り上げられていますよね。


では、今回の講座のテーマである「アンコンシャス・バイアス」についてはどうでしょう。

コンシャス(Conscious)「意識する、気づく」という単語の最初に「Un」がつくと、アンコンシャス(Unconscious)「意識しない、気づかない」という意味になります。

アンコンシャスが偏り、偏見、歪みという意味をもつバイアス(Bias)と合わさり、無意識の偏見、気づいていない考え方の偏りという意味となります。

人が、自分でも意識せずにもっている、特定の人や集団に対する偏った見方や考え方を指すそうです。

「自分はそんな考え方はしない」「差別なんてしていない」という方もいらっしゃるかもしれません。


しかし、アンコンシャス・バイアスは、誰もがもっているもの。自分では気づかず、知らずに、つまり無意識にもっているものであるため、それを自覚し自制することが困難なのです。


講座の中で行ったチェックシート内の例を一つ紹介します。

「身近にアジア系の外国人をみると、「出稼ぎ」に来ているのだろうと思ったことがある」


皆さんはどうでしょうか。

最近では、宗像市内で多くの「外国人」の姿が見られますよね。

その姿を見たときに、私はまさにこの例の通り「出稼ぎに来ているんだなぁ」と思ったことがあるのです。

出稼ぎに来ているとは限りませんよね。そもそも、「外国人」ではないかもしれない。ただ姿を見ただけで、そうだと決めつけていたのです。

これこそが「アンコンシャス・バイアス」です。

  • 03 自分の中にある無意識の偏見に気付くことが大切

    自分の中にある無意識の偏見に気付くことが大切

なぜ、アンコンシャス・バイアスが注目されているのか?

アンコンシャス・バイアスが注目されるようになったきっかけが、アメリカでの社会構造的な不平等の問題です。

たとえ制度や法律が整えられたとしても、本来与えられるべき権利や機会、選択肢が奪われる立場の人々が存在し、その原因の一つがアンコンシャス・バイアスであると指摘され、注目されるようになったそうです。

全員が同じ機会をもつ「平等」ではなく、一人ひとりが自分に合った機会をもつ「公平性」が必要であると訴えられるようになったのです。

この考え方は「ポジティブ・アクション」といい、政府による取組みも進められているそうです。

  • 04 「平等」と「公平性」の違いって?

    「平等」と「公平性」の違いって?

ジェンダー・バイアスって?

アンコンシャス・バイアスには、「自分がうまく適応すればよい」と思ってしまい、仕組みを問おうとしない「認知バイアス」や、自分の考えや経験則を正当化する情報ばかり探し、否定的な情報を無視してしまう「確証バイアス」など、そのきっかけとなるバイアスがあります。

そして、バイアスの一つである「ジェンダー・バイアス」とは、性別に関するバイアスのことです。

「女の子らしいね」「強くて男らしい」など、日常の会話でよく聞かれる言葉ですよね。

こうしたジェンダー・バイアスは、「女性は」「男性は」といった、大きなカテゴリー、主語から作られるイメージなのです。

自分も持っているかもしれないバイアス

参加者の方からも、「女性として生まれたからには出産して子育てするべきだと思ってしまう」「偏見だと分かっていても、男の子には男らしく強くたくましく育ってほしいと思ってしまう」など、自分の中で無意識にもっていたジェンダー・バイアスについての意見が出ていました。


また、「学校や地域の役員は女性がするべき」「老後の面倒を見るのは女性で経済面は男性が担うべき」など、参加者の方それぞれがかけられてきたジェンダー・バイアスによる言葉も。

こうしたジェンダー・バイアスの中には、「女性は弱いから守られるべき」「女性ならではの感性」など好意的差別という一見差別ではないように見えるものもあります。善意に見えますが、その根底には「排除」が存在しているのです。


では、本当に女性は皆、体力がなく弱く、男性は皆、体力があり強いのでしょうか?

こうしたバイアスは社会的に作られてきたものであり、体力や能力は人により違いますよね。

気づき、意識し、行動しよう

社会の中に広まり、そして自分自身ももっているかもしれないアンコンシャス・バイアス。これを乗り越えるには、どうすればよいのでしょうか。

組織としては、アンコンシャス・バイアスを可視化し、性別や属性にこだわらず役割を課すこと、先に述べたポジティブ・アクションを活用することが必要だそうです。


そして個人としてできることは、アンコンシャス・バイアスを意識化すること。

「男性なのに字がきれい!」といった、意外に思ったことやびっくりしたことに目を向け、自分の中のバイアスや周りのバイアスに気づくことが大切です。

「そうしたバイアスを心の中だけでなく行動につなげていくことが、社会を変えることに繋がる」という横山さんの言葉にハッとしました。

私は今まで「○○人はすぐに△△するよね」「女の子なのに」といった言葉を人から聞くたびにもやもやとしながらも、それを声に出すことはできませんでした。

こうした「大きな主語」からくるバイアスに目を向け、一人ひとりと向き合い交流することが必要であると強く感じました。

子育てをする中でアンコンシャス・バイアスを意識し、子どもに伝えていくにはどうすればよいか、横山さんに質問をしました。

「社会の中には同調圧力が必ずある。そんな中でも、あなたの選択は間違っていない、好きなことをしていいのだと励まし背中を押してあげられる存在であることが大切。社会もきっと変わっていく」と教えていただきました。

私たち一人ひとりが意識し行動することで、変えていきたいですよね。

講座に参加して

自分は意識している方だと思っていても、講座に参加してみると自分の中のバイアスに気づくことができました。

こうした気づきをそのままにせず、「なぜそう思ったのか」をよく考え、意識し声に出していきたいです。


最後に、横山さんの言葉を紹介します。

「一人ひとりが違いを認め、それぞれの能力を生かすしくみを作ることが、社会や組織の活性化や生きやすい社会のありかたにつながります」

国や性別、年齢など、幅広く様々な人が存在する現代社会の中で、とても大切なことだと感じます。

興味をもたれた方は、横山さんが紹介してくださった、内閣府アンコンシャス・バイアス啓発動画もぜひ、ご覧ください。


(表記はレポーターの表現を優先しています)


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