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桜咲く、鎮国寺の花まつりとお稚児さん

更新日:2022年06月07日

はじめまして。この度、新しくママレポーターとなりました徳永です。宗像に移住して4年目。もっと宗像という地を知りたい!ということで、移住者として、そして1歳の娘を育児中の新米ママとしての目線で、宗像のいろいろな魅力を探してお届けしたいと思います。動植物や自然、歴史が好きなので、そういった情報が多くなるかと思われますが、どうぞよろしくお願いします。

 

弘法大師空海の開山と伝えられ、鎌倉時代に創建された由緒ある鎮国寺。花や紅葉が美しいお寺として市内外の方にもよく知られています。その鎮国寺で、お釈迦様生誕記念のお稚児参りがあるらしいと聞き、いずれ娘も参加させたい!と思った私は、いそいそと取材に行ってきました。

 

着物姿のかわいいお稚児さんたちは朝から元気いっぱい!

開催日である4月8日は朝から土砂降り。開催されるのか心配でしたが、問い合わせると「稚児行列は見合わせますが、お祈願は決行します。」とのこと。8時半からの受付に間に合うように出発地点である宗像大社へと向かいました。

受付に着くと、すでに着替えを始めている参加者の子どもたちとご家族でにぎわっていました。お母さんがたが頑張って着付けをされている横を、着替えを終えた子どもたちが楽しげにうろちょろ。保育園や幼稚園の団体で参加されている方が多く、お友達と一緒に遊んでいる姿が多く見受けられました。

準備を終えた子はおすまし顔で記念撮影。品がよくあでやかな着物で、少し大人びて見える様子がたまらなくかわいいです。

 

女の子は頭の上の天冠が大きい!造作が凝っていて見栄えします。でもさすがに動きにくいようで、みんなどことなく動きがぎこちないのがまたかわいらしいです。

日の里から参加した山下莉亜ちゃん(5)は「頭が重たい・・・」と言いつつも、きれいな着物を着てはにかみながら笑顔を向けてくれました。キラキラでゆらゆらの天冠の飾りを見て、私の娘が興味を持って隣の女の子の天冠を触ってしまい、ずれてしまって大慌て。あの時は失礼しました!

 

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    特に緊張することもなく楽しそうな着替え
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    山下莉亜ちゃん。衣装がとってもよく似合っています

 

早めに着替えを終え、友達と遊んでいた村上陽哉くん(6)に「着物重たい?」と尋ねると「重たくない!」と元気に答えてくれました。行列で歩くことも踏まえて、意外と動きやすい仕様になっているのでしょうか。男の子は女の子に比べて烏帽子がすっきりとしています。男の子のはしゃぎっぷりを見ると、このくらいがちょうどいいんだな、と思いました。(笑)お父様も陽哉くんのお稚児姿を見て「いつもと違った雰囲気でいいですね。」と嬉しそうにおっしゃっていました。

長尾紗奈ちゃん(5)はお姉ちゃんの侑奈ちゃん(7)が付き添いで来てくれていました。侑奈ちゃんも以前参加されたそうで、今回は妹の紗奈ちゃんの番。初めての着物に「きついー」と言う紗奈ちゃんを侑奈ちゃんが励ます姿がほほえましかったです。

 

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    村上陽哉くん(左)。仲良しのお友達と一緒に
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    長尾紗奈ちゃんと侑奈ちゃん。かわいい仲良し姉妹です

 

 

準備を終えたら、宗像大社の本殿に移動して祈願祭。待ち時間の間とってもにぎやかな子どもたちも祈願殿に入ると神妙な面持ちに変わります。

この頃にはさっきまでの雨はどこへやら、不思議と雨が上がりました。もしかしたら稚児行列あるかな?と思いましたが、予定通り今回はなしで、各自鎮国寺へ移動しました。それはそうですよね、雨上がりで足下の悪い上、慣れない着物の子どもたち、とくれば、安全面を考慮した最善の手段だったと思います。そもそもお稚児さんに参加することは、御仏の加護をいただき、無病息災、健やかな成長を願うものですから、事故でもあったら台無しですもんね。(お稚児さんが転ばなくても私が転んでいたかもしれません・・・)

ということで、鎮国寺へ向かい、本堂に再び集まってお加持を受けました。(練供行列が行われる際は、宗像大社から鎮国寺までの約1キロを歩きます。)

 

雨上がりの鎮国寺の景色がすてきでした!

春を告げるウグイスのさえずりが聞こえてくる中、雨露の光るサクラの下にはムラサキハナナやシャガの彩り。何ともフォトジェニック!

日本の風土は本当に水の化粧が似合います。お父さんお母さんもこれはいい写真が撮れたのではないでしょうか。

 

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    参拝客も「かわいいかわいい」と喜ばれていました
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    春の開花リレー、始まっています

 

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    彩りを添えるムラサキハナナ
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    シャガは私の大好きな花の一つです

 

お加持では鎮国寺の立部住職より花まつりの由来や鎮国寺の成り立ちのお話があったのですが、その中で「お釈迦様が生まれたとき、天の神様が喜んで雨を降らせました。」という話が特に印象に残りました。奇しくもちょうど同じ日に雨が降り、お釈迦様の誕生日を再現されたような貴重な体験となりましたね。お加持も心なしかしっとりとした良い雰囲気でした。

天の神様が降らせた雨が甘かったことにあやかり、お釈迦様の像に甘茶をかけてお祝いする慣習が生まれたのだそうです。本堂の前にお釈迦様の像が出ていて、甘茶をかけることができました。私は初めて甘茶をいただいたのですが、「本当に甘い!」とその独特な甘みに驚いてしまいました。調べてみたところ、この甘茶の元になったアマチャという植物は日本特有の生薬で、食欲不振や利尿効果があるのだとか。

 

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    お稚児さんたちもしっかりお話を聞いていました
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    甘茶をかけてお祝いします

 

 

 

祈願祭を終えて

終了後、4姉妹で参加されていた辻日向ちゃん(11)、日和ちゃん(9)、日彩ちゃん(7)、日葵ちゃん(5)に感想を聞いてみると、「楽しかった!」「首が痛い」など思い思いの言葉が。日向ちゃんが参加できる最後の年ということで4姉妹全員で参加できて良かったですね。お母様が全て着付けをされたそうですが、前日に衣装の受け取りができたので家で着替えて来れたので良かったとおっしゃっていました。よく見ると、金襴の柄もいくつか種類があるんですね。とっても華やかで素敵でした。

衣装の返却を終えたら引き換えにお土産をもらって帰ります。ジュースやお菓子がたくさん入ったお土産をもらって嬉しそうな宮井志穂ちゃん(4)。「楽しかったよー」とニコニコしていました。幼い妹さんは、お姉ちゃんのきれいなお稚児姿を見て、とっても羨ましがっていたとか。次は妹さんの番ですね。

 

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    辻4姉妹。左から日彩ちゃん、日和ちゃん、日向ちゃん、日葵ちゃん
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    宮井志穂ちゃん。お花とお数珠もお土産にもらえました

 

 

終了後に立部住職にお話を伺いました。

稚児行列は今年で11回目。宗像市観光協会との共催で行われるようになったそうです。評判が良いので年々参加者が増えてきており、最近は保育園や幼稚園単位で参加いただく方が多いそうです。今回の参加費用は一人3000円。参加対象は歩けるようになった頃から小学生までで、一度のみならず何度でも参加できるそうです。ただし定員を超える申込がきた場合、残念ながらお断りすることもあるそうなので、お申し込みはお早めに。小学校高学年になってきたら恥ずかしがって参加しなくなる傾向にあるそうなのですが、お兄さんお姉さんも見栄えしてとっても素敵でしたよ。

鎮国寺や宗像大社、観光協会だけでなく、ボランティアガイドやボーイスカウトなど、たくさんの地域の方の協力のもと行われている温かい催しだなあと感じました。

お土産渡しを終えたボランティアガイドさんに「朝から大変だったでしょう。」と声をかけると、「いやいや、子どもたちの笑顔を見たら、疲れも吹き飛びますよ」と本当に嬉しそうにおっしゃられて、思わず拝みたくなってしまいました。

 

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    立部住職。観光協会の副会長もされているのだそうです
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    ボランティアガイドさんからお土産をもらいます

 

 

帰る前にせっかくなので鎮国寺内にあるお茶屋で本日限定の桜色の甘酒(300円)をいただきました。黒米を使った優しい甘さで、とてもおいしかったです。

境内では花見をしながらお弁当を食べる参拝客が多く、美しく和やかな雰囲気が印象的な花まつりでした。

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    黒米のほんのり桜色の甘酒。半分以上を娘に飲まれてしまいました

 

 

私は温故知新という言葉が好きなのですが、子どもたちがこうした行事に触れ、暮らしている地域の歴史や文化、人を知ることは、これから新しい時代を作っていくための強い礎になってくれるような気がします。

時代は変われど今も昔も子は宝。稚児行列が始まった時代の親御さんもこうして子どもの成長を喜び、見守ってきたのでしょうね。

親はもちろん、子どもたちの成長を喜ぶ目が広がれば広がるほど、豊かな地域と言えるのではないでしょうか。

 

関係者、参加者の皆さん、お疲れさまでした。

そして背中に子どもをしょってウロウロしていた私のインタビューに真摯に答えてくださった方々、ありがとうございました!

 

ママレポーター徳永

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