メニューにジャンプ コンテンツにジャンプ

トップページ > ママ・パパレポート > 平成28年度レポート > ロボカップ世界大会に出場した宗像高校電気物理部を取材してきました!

ロボカップ世界大会に出場した宗像高校電気物理部を取材してきました!

更新日:2022年06月06日

 

  • 部室にて

皆さんは、宗像高校電気物理部ってご存知ですか?ロボカップ世界大会に出場しているのは、知っていると思います。私も、世界大会に出場するすごい部ぐらいの認識しかなく、実際どんなことしているんだろう、取材に行ってみたいとずっと思っていました。ようやく念願かなって、電気物理部の見学に行ってきましたよ。


私を快く迎えてくれたのは、電気物理部顧問の羽生禎伸部先生です。先生に、宗像高校の電気物理部が、どうしてロボカップ世界大会に出場するほど強くなったのか、その歴史をお聞きしました。もともと、羽生先生は、自分の子どもとロボットを作ったりして遊んでいたそうです。そのうちに、ご近所の子も巻き込みロボットの大会に出るようになりました。 その頃、2002年ロボカップ世界大会が、福岡・釜山で開催されるのをきっかけに、福岡市や北九州市でロボット教室が沢山開催されたそうです。

その後、宗像高校に赴任してきた先生は、もう一人の木下和久先生と一緒に電気物理部の顧問を任されました。そこで先生は、ロボットの製作をしてみたいという生徒達と出会います。

2008年から2012年にかけて、偶然にも、2002年の大会でロボットに興味を持ち、個人でチームを作って中学時代に全国大会に出場した子たちが、宗像高校に入学してきたのです。そういう幸運な巡り合わせもあって、電気物理部は、2009年ロボカップ世界大会(オーストリア開催)で準優勝の快挙を成し遂げるのです。そして、先輩たちの培った技術は、脈々と後輩たちに受け継がれ今に致ります。


現在部員は、高校3年7人、2年9人、1年6人、中学生2年5人、1年14人の男子学生ばかり41人です。去年までは、女子部員もいたそうですよ。今年は、なんと言っても、新中学生が大勢入部したこと。宗像中学の志望動機で、この電気物理部に入りたいという子たちがいたそうです。世界大会に出場するほどなので興味ある子は、絶対入部したいですよね。

ロボットの部品は、ほぼ手作り。物作りを一から学んでいくことの重要性!

ロボカップジュニアは、19歳以下の次世代のロボット開発者を育てる競技です。サッカーチャレンジ、ダンスチャレンジ、レスキューチャレンジに分かれており、宗像高校電気物理部は、サッカーチャレンジに挑戦しています。サッカーチャレンジとは、2体のロボットを使ってのサッカー競技です。試合結果以外にも、チームプレイや、プレゼンテーション、面接なども審査の対象となるらしいです。使用するロボットは、直径22センチ高さ22センチの円筒形に収まるサイズで、部門はライトウェイトリーグ(重量制限1.1Kg)とオープンリーグ(重量制限2.4kg)の2つがあります。高校1年生のチームは、ライトウェイトリーグ、高校2年生チームは、オープンリーグで戦います。高校2年生チームは、歴代「アマテラス」という名前を継承して使います。


ロボットの部品は、みんな手作りします。ロボットの基盤となる円盤状の板は、看板などによく使われるアルミ複合板を丸くカットして使います。モーターも壊れやすいので、壊れたらすぐ新品に交換するのではなく、壊れた箇所の部品を購入して修理して使っています。なので、電気物理部の作業場所は、さながら下町の工場のようです。小さな部品がいっぱい置いてあります。


羽生先生は、完成品を使うのではなく、出来るだけ自分たちの手で作ることがとても重要だと考えています。既製品として売られているものが、実は自分たちで作ることができるということを学んでほしいという先生の願いが込められています。自分たちで手作りするので、不具合が出た場合も、一つ一つその要因を探っていかなければなりません。気の遠くなるような作業を楽しみながらコツコツ探り当てて行く経験が大切なんだそうです。それこそが「物作り」の醍醐味になるんでしょうね。中学生も、最初は先輩たちが作ったオリジナルキットの製作からです。高校生の先輩たちが、「中学生の時から、6年間ロボット製作に関われるなんて羨ましい~。」と言ってました。みんな、作るのが本当に好きなんですね。


先生が、モーターさえ小さな部品別に購入するのには、もう一つ理由があります。それは、予算です。ロボット製作は、お金がかかります。しかも、ロボカップは、参加者の技術向上のため毎年ルールが少しずつ変わります。例えば、サッカーのボールが、赤外線ボールからカラーボールになる可能性があります。これは、つまり赤外線を探知するセンサーから、色を識別するためのカメラを設置しなければならないということで、小型で軽量のカメラが必要になります。「ロボットを1体作るのって、結構お金がかかるんです。だから、少しでも安く材料費を押さえるために部品で購入するんです。」とのこと。先生は、予算の調達経費節減の事も考えなければならないから大変ですね。

  • 部活動の様子
    部活動の様子
  • プラスチックの板
    プラスチックの板
  • モーターの部品
    モーターの部品

 

 

  • 小さな部品をハンダづけ
    小さな部品をハンダづけ
  • ボンドをはがしてやり直し
    ボンドを剥がしてやり直し
  • 中学生たちも参加
    中学生たちも参加


 

電気物理部は、ロボット製作だけでなく、物理研究もしています!

  • 物理研究中

ロボカップで世界大会に出場しているので、その事ばかり大きく取り上げられますが、実は、ちゃんと物理研究もしています。宗像高校では、輪を投げたり、物を倒したりして、その動きの中で不思議だと思える動きを発見し、分析することで、その動きの仕組みを解明する研究に取り組んでいます。

その物理研究でも、6年前に始まった文化部のインターハイと呼ばれる全国高等学校総合文化祭で、福岡県の代表校(1校のみ)として6回中5回出場。そのうち2回最優秀賞に選ばれています。去年の第39回全国高等学校総合文化祭の自然科学部門(物理研究発表)で、研究テーマ『落下する紙吹雪の運動』が最優秀賞を受賞したというニュースは、みなさんもご存知ではないでしょうか。


取材時には、すでに来年の全国高等学校総合文化祭に向けた物理研究が進められていました。まだ内容は発表できませんが、今度の研究も面白いものらしいです。今年は、人数が多いので、ロボット班と研究班に分かれましたが、本当は両方経験して欲しいと先生はおしゃってました。ロボット製作で、不具合が出ては修正し、調整し、コツコツ地道に作業する力は、きっと研究にも役に立つはずだからと。

私も、彼らの姿勢を見て、ここで得た経験は、物理学だけでなくどの分野でも将来の糧になると思いました。更に、中高一貫校になって中学生から参加できるので、彼らが高校生になった時には、様々な経験を活かしてユニーク商品を開発しているかも・・・なんて期待も膨らみますね。

今年も12月にはロボカップの福岡大会、来年1月には九州大会、3月には全国大会があります。そして、国内予選を勝ち抜いたら、来年7月に名古屋で世界大会が開かれます。今年の7月ドイツ・ライプツィヒで行われた世界大会では、初出場でもあり初海外でもあったために、焦って失敗してしまったと語った2年生の「アマテラス」チーム。初海外経験の嬉しさ以上に、思うように結果を出せなかった悔しさの方があると言います。来年は、ここ日本での世界大会。「日本での大会の方が圧倒的に有利です。優勝狙います!」と熱く宣言してくれました。頑張れ!宗像高校電気物理部!!

ママレポーター岡田雅子

このページに関する問い合わせ先

総務部 秘書政策課 広報政策係
場所:市役所本館2階
電話番号:0940-36-1055
ファクス番号:0940-37-1242

メールでお問い合わせはこちら

このページに関するアンケート

情報は役に立ちましたか?
このページは探しやすかったですか?

このアンケートフォームは暗号化に対応していないため、個人情報等は入力しないでください。