更新日:2023年5月30日
今回は、まだ、あまり知られていない「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」について紹介します。
シーオーピーディー
COPDを知っていますか?
「慢性閉塞性肺疾患」
息切れや、気になる咳こみはありませんか?
COPDの原因の90%以上は「タバコ」
COPDは、有害物質を多く含むタバコの煙やガスなどを、長期間吸い続けて受けたダメージで生じた、肺の炎症疾患です。喫煙習慣を背景に、中高年に発症する生活習慣病と考えられています。
タバコの中には多くの有害物質が含まれていて、気管支の壁に炎症を起こすだけでなく、気管支の末端にある「肺胞(はいほう)」にまで侵入して、組織を壊す物質もあります。大気汚染で知られる「PM2.5」もその1つで、タバコに多く含まれています。
COPDは、国内の死因の中で9位、男性に限ると7位(2011年厚生労働省・人口動態統計)となっている病気で、亡くなる人は年々増え続けています。
年齢とともに増加するCOPD
わが国では現在、40歳以上の人口の8.6%、約530万人のCOPD患者が存在すると推定されています。しかし、実際は22万人程度しか治療を受けていないことから、多くの未診断、未治療の患者が潜在していると思われます。
病気の要因となる喫煙習慣などに加えて、年齢による肺の機能低下で、患者数は40歳代から増え始め、70歳代でピークになります。
全身への影響も心配
COPDの患者は、炎症で、気管や気管支などの粘膜が傷ついているので、病原体に感染しやすくなっています。そのため、風邪やインフルエンザ、肺炎などの感染症を起こしやすいことが知られています。感染症を起こすと、咳や痰、息切れなどの症状が急激に悪化することがあります。
他にも、COPDの患者は息切れを起こすため、運動を避けるようになりがちです。運動不足になると、筋力低下も起きやすくなります。
最も効果的な予防・治療法は「禁煙」
COPDで壊された肺は、元には戻りません。一度、呼吸機能が悪化してしまうと、完治はとても難しくなります。治療で症状の進行をある程度抑えることはできても、思うように呼吸できないつらさは一生つきまといます。それを防ぐためには、少しでも早い段階から「禁煙」することが何より重要です。また、運動などの生活習慣を見直して、肺が弱らないよう自己管理していきましょう。
気になる症状ありませんか?
初期症状はせき・たん・息切れなど、つい見過ごしがちなものなので、気が付いたときには病状が進行しているということもあります。次の項目に該当する人は、呼吸器科の病院で相談してみましょう。
- 年齢40歳以上で、喫煙歴は20年以上
- 風邪をひいていないのに、咳が出る
- 粘り気のある痰が出る
- 階段や坂道でよく息切れがする
保健師からの一言
豊福保健師
5月31日(土曜日)は世界禁煙デー
タバコを吸う人だけではなく、煙を吸い込んでしまう周りの人の健康も考えましょう
日本では、COPDに関する認知度が低く、今後、知識の普及や早期発見のための取り組みなどが重要な課題となっています。このため、「健康日本21(第2次)」(注1)では、COPDの認知度の向上を目標に掲げ、この病気が正しく認知されることを目指しています。また、関連する項目としては、原因の喫煙に関して「成人の喫煙率の減少」の目標を掲げています。
(注1)国が示す国民健康づくり運動のことで、平成25年度からは、「健康寿命の延伸」と「健康格差の縮小」を最大の目標とし、さまざまな健康課題の解決のための健康づくり運動を推進するものです
口すぼめ呼吸法
普段の生活で、できるだけ息切れを起こさないための呼吸の仕方、息苦しくなったときの呼吸の整え方を紹介します。口すぼめ呼吸は、肺への負担を軽減し、息切れが和らぎます。
このページに関する問い合わせ先
健康福祉部
- 健康課
- 新型コロナワクチン接種推進室
場所:西館1階
電話番号:0940-36-1187
ファクス番号:0940-37-3046
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