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沖ノ島出土の祭祀遺物

沖ノ島において昭和29年(1954)より昭和46年(1971)まで3度にわたって行われた発掘調査の結果、発見された国宝の一部をご紹介します。

岩上祭祀の奉献品(4世紀後半〜5世紀)

勾玉(まがたま)

勾玉(まがたま) 古代の代表的な祭祀具。古い時期のものほど石質もよく、色もきれいです。これらは榊(さかき)などに結びつけられて磐座(いわくら)へ奉献されたものと考えられます。

碧玉製釧(へきぎょくせいくしろ)

碧玉製釧(へきぎょくせいくしろ) 釧とは、腕輪をさす古語です。弥生時代、すでに巻貝製の貝輪が釧として使われており、これに似せて石釧、銅釧、銀釧などが出現し、前期古墳に多く副葬されています。これも古墳時代になって、つくられたものです。

鉄刀(上)/鉄剣(下)

鉄刀(上)/鉄剣(下) 沖ノ島から出土した武器には完形品はありませんが、破片の数から考えても相当量が奉献されたと思われます。刀は片刃で断面が三角形。剣は、両刃でその断面が菱形をしています。刀装具もさまざまで、金銅で装飾した鍔(つば)や柄間金具、柄に装着した水晶製三輪玉(すいしょうせいみわだま)などがあります。

ガラス製小玉

ガラス製小玉 ガラス製の小玉は、わが国では弥生時代から作られており、当時は貴重な宝器でした。沖ノ島では、ガラス小玉をはじめさまざまな材質でつくられた勾玉(まがたま)・管玉(くだたま)・丸玉・小玉・棗(なつめ)玉・切子玉などが出土しています。いずれも呪術的なものとして、祭祀の際に榊などにつるして捧げられたとみられます。

三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)

三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう) 西王母(せいおうぼ)・東王父(とうおうふ)など不老長寿の神仙思想を表す神仙や霊獣の文様を配した鏡。中国の魏代(ぎだい)に製作された舶載品(はくさいひん)と推定されますが、日本以外での出土例がないため、この鏡をすべて日本製とする説もあります。 3Dを見る

方格規矩鏡(ほうかくきくきょう)

方格規矩鏡(ほうかくきくきょう) 鈕(ちゅう)のまわりを方形の文様帯が囲みその四方にT・L・V字形を配した鏡。内行花文鏡(ないこうかもんきょう)とともに漢代の中国で盛行し、弥生時代の甕棺(かめかん)などからその舶載品(はくさいひん)が数多く発見されています。

内行花文鏡(ないこうかもんきょう)

内行花文鏡(ないこうかもんきょう) 文様が花弁の内向きに連なった状態に似ていることから名づけられました。中国では、連弧文鏡(れんこもんきょう)と呼ばれ、後漢代に盛んに作られた鏡で、弥生時代後期(紀元前後)に中国からもたらされました。

岩陰祭祀の奉献品(5世紀後半〜7世紀)

金製指輪(きんせいゆびわ)

 朝鮮半島の三国時代に新羅(しらぎ)からもたらされたもので、同種の指輪が韓国慶州(けいしゅう)の王陵からも出土しています。

金銅製歩揺付雲珠(こんどうせいほようつきうず)

金銅製歩揺付雲珠(こんどうせいほようつきうず) 馬の飾金具。鞍から馬の尻にのびた帯状の装具が交差する部分に据えるもので、沖ノ島のものは装飾に富んでいます。朝鮮半島にとくに多く、新羅(しらぎ)からもたらされました。

金銅製心葉形杏葉(こんどうせいしんようがたぎょうよう)

金銅製心葉形杏葉(こんどうせいしんようがたぎょうよう) 馬の飾金具。透彫(すかしぼり)によって、唐草文の中に、人面と双翼・尾翼を持った鳥人像を表しています。鳥人像は高句麗(こうくり)の古墳壁画にも見られます。

金銅製帯先金具(こんどうせいおびさきかなぐ)

金銅製帯先金具(こんどうせいおびさきかなぐ) 新羅(しらぎ)からの渡来品。2枚の金銅板を鋲で留めて革帯を挟んだ蝶番(ちょうつがい)とみられます。金銅板の雲形やハート形の透しから、中に挟まれた雲母片と玉虫の翅(はね)が見える造りとなっています。

金銅製蕀葉形杏葉(こんどうせいきょくようがたぎょうよう)

金銅製蕀葉形杏葉(こんどうせいきょくようがたぎょうよう) 馬の飾金具。鞍から馬の胸や尻にのびた帯状の装具に下げたもので、棘(とげ)を持った葉の形からその名があります。各種の杏葉(ぎょうよう)や雲珠(うず)をはじめとする馬具(ばぐ)は、6世紀後半の新羅(しらぎ)製のものとみられ、岩陰祭祀の代表的な奉献品です。 3Dを見る

滑石製子持勾玉(かっせきせいこもちまがたま)

滑石製子持勾玉(かっせきせいこもちまがたま) 勾玉の背、腹や側面に小さい勾玉を持ったもので、5世紀に盛行し、ほぼ全国的に出土しています。また、日本から朝鮮半島にもたらされた文物のひとつです。祭祀において供される例も多く、その遡源(そげん)や性格については諸説ありますが、呪術的な祭器とみられます。

カットグラス碗片

カットグラス碗片 出土した二片を接合し復元すると、浮出円形のカットグラス碗となります。

同巧品がイランのギラーン地方より出土することから、沖ノ島のカットグラス碗はローマからの伝来品と考えられ、中国・朝鮮半島を経由して日本にもたらされた可能性が高いと思われます。

半岩陰・半露天祭祀の奉献品(7世紀後半〜8世紀前半)

人形のある器台と土師器壷(はじきつぼ)

人形のある器台と土師器壷(はじきつぼ) この器台と土師器壺はセットで出土しました。器台には人形がきざみこまれており、顔と手足のみをヘラ先で表現しています。奈良時代にみられる人面土器との関連をうかがわせます。

唐三彩長頸瓶(口縁部分)(とうさんさいちょうけいへい)

唐三彩長頸瓶(口縁部分)(とうさんさいちょうけいへい) 本来は胴部に縦菱形の宝相華文(ほうそうげもん)のメダイヨンが施された長頸瓶。8世紀前半のもので、世界的に珍しい出土例。中国河南省産とみられ、第七次または第八次遣唐使によってもたらされた可能性が高いと思われます。

金銅製雛形五弦琴(こんどうせいひながたごげんきん)

金銅製雛形五弦琴(こんどうせいひながたごげんきん) 伊勢神宮の内宮の神宝「鵄尾琴(とびのをのこと)」の祖形といわれるミニチュア琴。半岩陰・半露天祭祀では金銅製雛形祭祀品が急増し、琴をはじめ、武器・工具・鏡・容器・紡織(ぼうしょく)具などのミニチュアが奉献されており、いずれも古代の宮廷祭祀に関わる祭祀品や神宝に通じます。

金銅製龍頭(こんどうせいりゅうとう)

金銅製龍頭(こんどうせいりゅうとう) 龍頭は一対あり、胴部を竿の先に付けて、唇の孔(あな)から天蓋(てんがい)や幡をつりさげて用いたと考えられます。中国の東魏代(とうぎだい)につくられた渡来品で、敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)の唐代の壁画にも類似品が描かれています。

露天祭祀の奉献品(8世紀〜9世紀末)

奈良三彩小壺(ならさんさいこつぼ)

奈良三彩小壺(ならさんさいこつぼ)  わが国最古の彩釉陶器(さいゆうとうき)。精良な生地の上に緑・褐の鉛釉(えんゆう)をかけ、さらに上釉(うわぐすり)をかけて焼いたもので、同様のものが、海路への祭祀を行った岡山県大飛島(おかやまけんおおびしま)や三重県神島(みえけんかみしま)などからも出土しています。

滑石製形代類(かっせきせいかたしろるい)

滑石製形代類(かっせきせいかたしろるい) 形代には、人形(ひとがた)・馬形(うまがた)・舟形(ふながた)などがあり、滑石を工具で削って形作ったものです。人形・馬形は海神を鎮めるために、舟形は航海安全を祈るために捧げられたとみられます。約200点もの出土が確認された舟形は、海の祭祀にふさわしい奉献品です。

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